幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「付き合っているんだけどな。いわば、ボランティア。彼女達の虚栄心を満たしてあげている。俺と付き合えて嬉しいって言うくせに最後はたいてい私一人にしてって言われる」
「当たり前ですよ。梶井さんが好きになった人に付き合っている人が何人もいたら嫌じゃないですか?」
「俺はいいけどね。相手に何人男がいようと気にならないな」
「それって本当に好きじゃないから言えるんですよ」
「かもね」
ははっと笑った梶井さんはなんでもないことのように笑った。
なれていると言ったのは嘘じゃないらしい。
夕飯の買い物をしてきた袋の中から冷たいサイダーのペットボトルを取り出した。
「梶井さん。これ、頬にあてて冷やしてください」
「奏花ちゃんは優しいなぁ。小学生のころも素直で可愛い子だったけど」
サイダーのペットボトルを受け取るのかと思ったら、差し出したペットボトルに自分の頬をあてた。
「今も可愛い」
その言葉は足を地面につなぎとめる呪文のようだった。
梶井さんは上目遣いで私を見る。
その目の色は黒。
深い闇色。
ずっと見ているとその闇の中にずるずると引きずり込まれてしまうような目をしていた。
「当たり前ですよ。梶井さんが好きになった人に付き合っている人が何人もいたら嫌じゃないですか?」
「俺はいいけどね。相手に何人男がいようと気にならないな」
「それって本当に好きじゃないから言えるんですよ」
「かもね」
ははっと笑った梶井さんはなんでもないことのように笑った。
なれていると言ったのは嘘じゃないらしい。
夕飯の買い物をしてきた袋の中から冷たいサイダーのペットボトルを取り出した。
「梶井さん。これ、頬にあてて冷やしてください」
「奏花ちゃんは優しいなぁ。小学生のころも素直で可愛い子だったけど」
サイダーのペットボトルを受け取るのかと思ったら、差し出したペットボトルに自分の頬をあてた。
「今も可愛い」
その言葉は足を地面につなぎとめる呪文のようだった。
梶井さんは上目遣いで私を見る。
その目の色は黒。
深い闇色。
ずっと見ているとその闇の中にずるずると引きずり込まれてしまうような目をしていた。