未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない


椿は一足先に食事を終え、翔真の保育園へ持っていく荷物を大きな布製のカバンへ入れ準備していた。

お昼寝用の敷き布団カバー、ナプキン、替えの服・・・今日は月曜日だから持って行く物が多い。

敷き布団カバーや登園バッグは保育園の方針で、全て手作りすることになっていた。

裁縫が得意ではない椿は苦労したけれど、不器用なりになんとか仕上げた。

時計に目をやると、もう7時50分だった。

家から翔真が通う公立のささむら保育園までは歩いて10分。

そして椿の勤め先である『スーパー三つ葉』までバスに乗って30分かかる。

勤務時間は9時から18時までだが、椿はなるべく早めに出勤するよう心がけていた。

そうすれば店からの信頼を得られ、人員削減の対象から外れることができる。

今ここで仕事を失ったら、母子二人きりの生活が立ちゆかなくなってしまう。

それだけはどうしても避けなければならない。


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