うちの訳アリ男子たちがすみません!
先生はそう言うと机の中からタブレットを取り出した。
私たちに画面を見せるように持ち、コツッと一回タップする。
すると画面には一人のおじいちゃんが現れた。
この人、さっき入学式で見た。ここ、野茨の理事長だ!
どうやら事前に収録された動画を見せてくれるらしい。
画面上の理事長はコホンと咳を一つする。
『ええー、君たちの措置として、わが校の特別対応係に任命する』
「「特別、対応係?」」
楓くんと紫苑くんの声がきれいに重なった。
理事長は口を開いて話を続ける。
『君たちが特別対応係として、私が依頼することを無事遂行し達成してくれれば、退学は無くしてやろう。ただし、失敗すれば問答無用で即退学じゃ』
理事長からの依頼。
できなければ即、退学。
「ええええええ⁉」
何ですか、それ!
先生はタブレットの電源を切って元の場所に片付ける。
「以上が理事長からのお言葉です。従うか従わないかは自分で決めてください」
清水先生はあくまでも冷静に伝える。
ミケくんはこてっと小首をかしげた。
従わなければ成績が急上昇でもしない限り退学。従っても失敗すれば退学。
つまりはそういうこと⁉
お先真っ暗ロード絶賛進行中だよっ!
紫苑くんは眉を寄せて思案顔だ。
「そんなに特別対応係、とやらをやらせたいってことは、この学園は何かに困っている。そういうことですよね?」
「まあ、そうですね」
清水先生は、今度はポケットから折りたたまれた紙を取り出す。
先生が開くと、中には『行事予定』の文字。
先生は4月の欄の下の方をさした。
「今月末に野茨学園でオープンスクールがあります。君たちには来場者千人を目指してもらいます」
「せ、千⁉」