うちの訳アリ男子たちがすみません!

謎の男子たち

 これは一体どういうことなの?

 あの後、お母さんは家のドアを開けて出てくると、謎の男子たちを招き入れた。

 お母さんはなんだか事情を知ってるみたいだけど……。

 今はリビングでみんな、タオルを首にかけて座ってる。

「うーん、いい匂い。お腹すいちゃうよね~」

 フードの男子はツンツン頭の男子の肩に頭をのせる。

 ツンツン男子は口を引きつらせながら、彼の頭をぐいっと押しのけた。

「お・ま・え・はいい加減、黙ってろ!」

 ……なんだか、仲が悪そう。

 雨でぬれてしまったトイの足を拭きながら、じーっと男子たちを見つめる。

 フードをかぶった、小柄な男子に、髪の毛がツンツンしている男子。長い髪の毛をさらっとくしでとく男子に、ふわあとあくびをしながら、どこから出してきたのか、クッションを抱いている男子。そして、私の名前を呼んだ、背が高くて前髪をセンターでわけている男子。

 年齢は同じくらいっぽいけど、誰なんだろう? そしてお母さんは何で知ってるの?

「さあさ、体はあたたまったかしら」

 お母さんはみんなの分のお茶を持ってきながら周りを見渡す。

「ありがとうございます。部屋を提供してもらう(・・・・・・・・・・)上に、こんな気遣いまで」

 背の高い男子がお茶を受け取ると、お母さんはうふふっと笑った。

「いいのよ。部屋は余ってたから」

 ……ん? 今、なんて言った?

 私はトイを拭く手を止める。

 二人とも、今、大事なことを言ったような。
< 3 / 105 >

この作品をシェア

pagetop