うちの訳アリ男子たちがすみません!
「ねえ、お母さん。どういうこと?」
前のめりになって聞くと、お母さんはよくぞ聞いてくれたっというように胸を張った。
「この子たち、明日からスポーツ推薦で野茨に通う子なの。
今日から、ここに住んでもらうことにしたのよ」
……な、なななな、
「なにそれ⁉ 聞いてないんですけど⁉」
スポーツ推薦の話は聞いたことがある。
スポーツがうまい子が、入学した後そのスポーツを続けるってことを約束として、入学することだよね。
野茨が学力だけじゃなくて運動面も高めたいって、今年度の入試からスポーツ推薦の枠を大幅に広げたのも知ってる。
もっとも、私は運動音痴過ぎて、速攻で推薦はあきらめたけど!
でもでもっ、ここに住む! ってどういうこと⁉
頭が大混乱の私を脇に、お母さんはあっけらかんと続ける。
「ほらあ、私、野茨の寮母の仕事を手伝ってるでしょ。この子たちも寮に入る予定だったんだけど、建物の屋根が壊れちゃったとかで、住むところがなくなっちゃったのよ。うちはお父さんが単身赴任でいないし、ちょうどいいかなーと思って」
来てもらうことにしちゃった、とお母さんはキランと歯を見せた。
いやいやいや! そんな急に!
まったく知らない人たちなのに! (しかも男子だし!)
あまりの急展開に頭が追い付いていかない。
確かに、確かに二人暮らしにしては広いし、部屋は余ってるけど。
いきなり五人も、一緒に住むなんて!
トイだけはいっぱい人がいて嬉しそうに、しっぽを振って歩きまわっている。