うちの訳アリ男子たちがすみません!

 デ、デート⁉

 衝撃発言に私は目が真ん丸だ。

「な、ななななんでそういう話になるのっ」

「さくら優しいもん。一緒に出かけたいなぁ」

 ミケくんはぎゅっと手を握っていて離してくれない。

 ミケくん、なんだか距離が近いよ⁉

 純粋な瞳に見つめられてうぐっと言葉に詰まる。

 わん太くんは嬉しそうに飛び跳ねていた。

「やったあ! おでかけ、おでかけ~」

 えええええ!

 お母さんは「すっかり仲良しねえ」とほほえましそうに笑っている。

「仕方ありませんね。まあ、少しは息抜きになりますか」

 紫苑くんははあっと息を吐いた。

 楓くんは満足そうににっこりだ。

「決まりだね。僕たちと一緒に行こう」

 でもいいのかなあ。みんな、私に合わせてもらうような感じになるのに。

 私の心配はよそに、男子たちは遊園地の話題で盛り上がってる。

「やっぱり、ローズパークと言えば、おっきなジェットコースターだよね! みんなでのろーよ!」

「あんな恐ろしいもの、だれが乗るんですか。ここは観覧車でしょう」

「もしかしてぇ、紫苑ってばこわいのぉ?」

「紫苑は絶叫系苦手だもんね」

「……うるさいです」

 男子たちは早くも、何に乗るか話し合っているみたい。

 まあ、いいか。みんなも楽しそうだし。

 サッカーだけ毎日やってたら疲れちゃうもんね。

 こうして、私たちはみんなで、ローズパークに行くことになったのでした。

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