君が最愛になるまで
フロアを出て待ち合わせの会社の外へ向かいながら耳元にスマートフォンを当てて奏と話す。
私の言葉に奏は何かを考えているのか言葉が返ってこず無言の時間が続いた。
『今日中じゃなくてもいい。帰ってこなくてもいいよ』
「え⋯⋯」
それは奏なりの優しさだったと思う。
私の気持ちを知っている奏だからこそ、そういう言葉を投げかけてくれるんだろう。
思わずクスッと笑ってしまい、電話越しで何笑ってんだよ、と悪態をつく声が聞こえてきた。
その奏なりの背中を押してくれた言葉に対してありがとう、と返す。
「じゃ行ってくるね」
『うん。気をつけて』
そう言ってスマートフォンを切って足早に待ち合わせ場所に向かう。
既に千隼くんはいて私を見つけた彼は優しく微笑んだ。
(ああ⋯やっぱり私は好きだ)
「紬希。待ってた」
「ごめんねお待たせ」
「来てくれないかと思った」
「まさか。約束したのに破るわけないじゃん」
なんでそんなホッとしたような安心しきった顔をするんだろう。
私の顔を見て心底安心したように胸を撫で下ろす表情が印象的だった。
「⋯最近、前田と仲良さそうだったから。来ないと思ってた」
「それと来ないは別でしょ」
「前田のことが好きなのかと思ってた。だから俺と2人では来ないかなって」
「⋯⋯そんなの心配するキャラじゃないのに」
噂通りなら千隼くんは誰とでも関係を持つ人で、誰でもいいと思っている人で。
そんな人が来ないかと思ったなんて不安になる一面を持っているとは思ってもいなかった。
「あのね、千隼くん。話したいことがあるんだよね」
「どんな話?」
「着いたら話すね」
私は今日、千隼くんに告白する。
気持ちを理解して欲しいとは思っていない。
両思いになりたいとも思っていない。
ただこの気持ちを伝えて区切りをつけ、要くんのように初恋を思い出にしたいだけだ。
千隼くんと2人並んで向かった先は海鮮が美味しい居酒屋だった。
いつも美味しいお店を知ってるな〜なんて思いながら中に入る。
個室風の席に案内され、私たちは1杯目にビールを頼んだ。
それ以外にも刺身やレアカツなどを注文していく。
「乾杯しよ千隼くん」
「だな」
グラスを合わせてビールをぐびぐびと飲み干していく。
半分ほど飲んだ私を見て千隼くんはいい飲みっぷり、と言って笑った。
「あのね、私千隼くんが好きなんだ」
「⋯っ!」
「でも、付き合いたいとかそういうのを望んでる訳じゃない。ただ前を向きたくて伝えたかっただけ」
いきなり私が本題に入るとは思わなかったのか、千隼くんは目を見開いて固まっていた。
幼なじみの私からそんなことを言われると思ってもいなかっただろう。
この告白が千隼くんを困らせることになるかもしれない。
それでも今だけは私のわがままを聞いて欲しい。
私が前を向くためにこの気持ちと蹴りをつけさせて欲しい。
私の思いを叶えるように千隼くんは何も言わずに私の話を聞いてくれた。
「昔から好きだった。千隼くんが大学行って連絡取れなくなったあともずっと忘れられなくて、それで彼氏に振られたりしたくらい引きずってたんだよね」
「うん⋯」
「千隼くんが誰を好きでいてもいい。この気持ち伝えたかっただけ。だから答えも求めてないよ」
「⋯⋯⋯」
私の言葉に奏は何かを考えているのか言葉が返ってこず無言の時間が続いた。
『今日中じゃなくてもいい。帰ってこなくてもいいよ』
「え⋯⋯」
それは奏なりの優しさだったと思う。
私の気持ちを知っている奏だからこそ、そういう言葉を投げかけてくれるんだろう。
思わずクスッと笑ってしまい、電話越しで何笑ってんだよ、と悪態をつく声が聞こえてきた。
その奏なりの背中を押してくれた言葉に対してありがとう、と返す。
「じゃ行ってくるね」
『うん。気をつけて』
そう言ってスマートフォンを切って足早に待ち合わせ場所に向かう。
既に千隼くんはいて私を見つけた彼は優しく微笑んだ。
(ああ⋯やっぱり私は好きだ)
「紬希。待ってた」
「ごめんねお待たせ」
「来てくれないかと思った」
「まさか。約束したのに破るわけないじゃん」
なんでそんなホッとしたような安心しきった顔をするんだろう。
私の顔を見て心底安心したように胸を撫で下ろす表情が印象的だった。
「⋯最近、前田と仲良さそうだったから。来ないと思ってた」
「それと来ないは別でしょ」
「前田のことが好きなのかと思ってた。だから俺と2人では来ないかなって」
「⋯⋯そんなの心配するキャラじゃないのに」
噂通りなら千隼くんは誰とでも関係を持つ人で、誰でもいいと思っている人で。
そんな人が来ないかと思ったなんて不安になる一面を持っているとは思ってもいなかった。
「あのね、千隼くん。話したいことがあるんだよね」
「どんな話?」
「着いたら話すね」
私は今日、千隼くんに告白する。
気持ちを理解して欲しいとは思っていない。
両思いになりたいとも思っていない。
ただこの気持ちを伝えて区切りをつけ、要くんのように初恋を思い出にしたいだけだ。
千隼くんと2人並んで向かった先は海鮮が美味しい居酒屋だった。
いつも美味しいお店を知ってるな〜なんて思いながら中に入る。
個室風の席に案内され、私たちは1杯目にビールを頼んだ。
それ以外にも刺身やレアカツなどを注文していく。
「乾杯しよ千隼くん」
「だな」
グラスを合わせてビールをぐびぐびと飲み干していく。
半分ほど飲んだ私を見て千隼くんはいい飲みっぷり、と言って笑った。
「あのね、私千隼くんが好きなんだ」
「⋯っ!」
「でも、付き合いたいとかそういうのを望んでる訳じゃない。ただ前を向きたくて伝えたかっただけ」
いきなり私が本題に入るとは思わなかったのか、千隼くんは目を見開いて固まっていた。
幼なじみの私からそんなことを言われると思ってもいなかっただろう。
この告白が千隼くんを困らせることになるかもしれない。
それでも今だけは私のわがままを聞いて欲しい。
私が前を向くためにこの気持ちと蹴りをつけさせて欲しい。
私の思いを叶えるように千隼くんは何も言わずに私の話を聞いてくれた。
「昔から好きだった。千隼くんが大学行って連絡取れなくなったあともずっと忘れられなくて、それで彼氏に振られたりしたくらい引きずってたんだよね」
「うん⋯」
「千隼くんが誰を好きでいてもいい。この気持ち伝えたかっただけ。だから答えも求めてないよ」
「⋯⋯⋯」