髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革

30. ルシアナ、その後

「あー、ルシアナのお姉さんのあの啖呵、良かったわ。今思い出しても笑っちゃう」

 コロコロと笑いながらお茶を飲むベアトリスに、ベロニカは顔を赤くして頭を下げた。
 
「あの時は本当に申し訳ございませんでした。ベアトリス様の婚約発表の場でもありましたのに」
「いーの、いーの。だーれも怒ってないから。ね、ケイリー?」
「ええ。父も母も、男女のいざこざはよくある事だと言って笑っていましたから」

 ケイリーもまた、ベロニカが淹れたお茶を飲みながらルシアナを眺めている。

 デビュタントボールがあった春から季節は移ろい、りんごが色づき始める季節がやって来た。
 ケイリーとベロニカは今、とある目的のために公爵邸を訪れてきている。
 とある目的と言うのは――。

「結婚式まであと2日だって言うのに、ルシアナはウィンストンに何をする気なのかしら?」
「さあ、私にも分かりません。ただ、ウィンストン様に魔法をかけるらしいですよ」

 肩をすくめてみせたベロニカに、ケイリーは納得したように頷いている。
 
「へえ、それはいいね。ならルシアナに任せておけば大丈夫だ。彼女の魔法の腕は、僕も体験済みだからね」

 ――そう。ベロニカとウィンストンは結局、結婚することとなった。
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