髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革
「よしっ、イメージが湧いてきましたわ!」
チョキチョキと軽快にハサミを動かし、青みがかった団長の髪の毛を切っていく。その周りでは騎士達が、我らが団長は一体どうなってしまうのかと、固唾を飲んで見守っている。
パラパラと落ちてくる髪の毛を見ている団長は涙目になっているけれど、心配は無用! この髪型にしたらぜ〜ったいカッコイイんだから。
ひとしきり切り終えて、今度はサイドをごく短くカットしていく。
電動バリカンはもちろんの事、手動バリカンすらもこの世界には無い。なのでハサミとくしを使ってごく短く刈り上げていくしかない。
手動バリカンとスキバサミ、今の技術でも作れないのか、今度ハサミ工房へでも行って掛け合ってみようかしら。などと考えながら、今度はハサミから剃刀に持ち替えた。
「え゛っ……。お、お嬢様、まさか剃刀を使うので?」
「ええ、そうよ。大丈夫だから。ねっ!」
団長の顔が泣きっ面から今度は顔面蒼白になった。普段は剣を片手に勇ましく戦っているというのに情けない。
ルシアナは前世では美容師免許も理容師免許も持っていた。どちらも持っていれば働ける場所の幅が拡がって何かと便利だと思って、どちらの資格も取っておいたのだ。もちろん剃刀を扱う練習もしたし、理容室で働いた経験もあるので実践したこともある。
「動かないでよね〜」
刈り上げたサイド部分に、慎重に剃りこみを入れて何本かラインを引いてみた。
最後にヘアオイルを付けて全体を整えたら……
「かんせーい!」
トップの髪は少し長めに、サイドの髪はごく短く刈り上げた所謂『ツーブロック』。
刈り上げの部分に剃りこみを何本か入れたので、めっちゃイカつい! すっごいカッコイイ!!
「うおぉぉぉっ! 団長、すっげぇワイルド!! カッコイイっす!!」
「なんと言うか、団長の男らしさが際立って見えますよ」
「あの剃った部分が特にオシャレだし、首筋あたりに色気すら感じられるなぁ」
「これは奥さん、惚れ直しちゃうんじゃないですかぁ?」
完成した団長の頭を見た団員達が次々と褒めだして、団長も満更でも無さそうだ。照れたように笑って頭の後をかいている。