髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革

23. ルシアナ、出くわす

 りんごって確か、ピーリング効果があったんじゃないかしら……。りんごの絵がプリントされた洗顔石鹸とかあったわよね。

 ポカポカ陽気に誘われて、ルシアナは庭園を散歩しながら新しい商品について考えている。
 ベアトリスの朝の支度を終えて、夜の入浴時まで今日は特に何もないので、ゆっくりと考え事ができる。

 シャンプー用の石鹸にりんごエキスが入っている。とりあえずはこの石鹸でしばらく顔を洗ってみて、開発を進めてみよっと。

「ふぅー、いい天気ね。薔薇ももうすぐ咲きそう」

 庭園に植えられている薔薇には、ちらほらと蕾が付き始めている。舞踏会が開かれる頃には開花していそうだ。

 ベアトリス様がパートナーを見つけてきてくれると言っていたけど、果たして見つかるかどうか……。

 まあ、考えても仕方がない。
 いざとなったらお父様と踊ればいいし。
 だいぶ痛い人になるけどね。

 ところでわたしくしって、ダンス踊れるのかしら……。

 領地を何とかしようと立ち上がってからというもの、ルシアナは淑女としての教育をほとんどほっぽり出して過ごしてきた。
 ダンスに裁縫、絵画や楽器の演奏……。領地運営に今、必要ないと思うものは全て削ぎ落として、研究・開発に精を出し、売り込む方法を考え、理容師達の技術向上に時間を注いだ。
 そのツケが今、回ってきてしまった。

「えーっと、基本ステップはこうよね……」

 一応、昔にダンスの練習はしていた。その記憶を手繰り寄せて、ひとりステップを踏んでみる。
 足がもたつくけど、思っていたより悪くない?
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