王子とシンデレラの執着愛
「――――カットソーは?」
そう言いながら、Tシャツなどを見ていく真龍。

空愛はそんな中、全く違う店を見ていた。

「………」
(あ…映画観たいな…
本恋、今週から公開されたんだよね)

「空愛、これとかどう?
ペアでお洒落だよ?
…………空愛?」

「………」
(きっと、私が“観たい”って言ったら一緒に来てくれるんだろうけど……
たぶん真龍さん、ラブストーリー苦手だろうし…)

「空愛!」

「………」
(よし!今度、一人で………
………って!一人では無理じゃん!
私、常に誰かと一緒だし。
うーん…アオナさんに一緒に行ってくれるか聞いて―――――)

考え込んでいる空愛を、真龍は少し強引に引き寄せた。
「空愛!!」

「…っえ!?」

「何処見てるの?」

「え?
あ…えーと……
……………あ!靴!靴なんて、どうかな?」
空愛は周りをキョロキョロして、シューズコーナーを指差した。

「………」

「真龍さん?」

「空愛は楽しくないの?
俺とのデート」

「え……そんなの、あり得ないよ!!」

「でも上の空で、俺のこと見てくれてない。
俺は空愛だけしか見てないのに!」

「そ、それは…その…」

「もう帰ろ?
空愛の意識を俺だけにするには、余計なモノがない所に行かないと」

「ち、違うの!!」

「は?何が違うの?」

「映画!!」
空愛は、映画館を指差した。

「映画?」

「観たい映画があって…
でも真龍さんは苦手な分野だし、今度アオナさん誘って行こうかなとか考えてたの」

「映画…
あー、本恋?
でも本恋の公開は、来週でしょ?」

「………え?
今週だよ?」

「は?
今週公開した本恋は、そのプロローグなはず」

「え…!?そ、そうなの?」

「行ってみる?
確かタイトルも“本能で恋をする〜序章〜”てなってるはず」

二人は映画館に向かった。
確かにタイトルはそうなっていて【来週公開の“本能で恋をする”を観る前に観ておくべき!本恋が2倍楽しめる!!】と宣伝ポップが書かれていた。

「ほ、ほんとだ…」

「だから、公開したら誘おうと思ってたんだよ?
空愛が観たがるのわかってたし」

「ご、ごめんね!!
私、勘違いしてた……!」

空愛は何度も、頭を下げた。


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