王子とシンデレラの執着愛
「――――ん…美味しい…!」

「奥様に喜んでいただけて、光栄です……!」
微笑む空愛に、オーナーも微笑んだ。

「でも、びっくりだな!
黒北グループのレストランなのに、空愛が来たことなかったなんて(笑)」
葉瑠がケラケラ笑いながら、ワインを飲んだ。

「でもよく考えたら、真龍って自分のグループの店には滅多に行かないよね(笑)」
皐生も笑っている。

「あー、そうね!確かに!」
アオナも賛同する。

「あ…それは……」
空愛が言いにくそうに濁し、オーナーに視線を送った。

オーナーが何かを察したように「では、ごゆっくりおくつろぎください」と言って、個室を出ていった。

それを見送り、空愛が葉瑠達に向き直る。
「黒北グループのお店は、オーナーさん達が挨拶に来られるので面倒って言ってて……
………ウザいって…(笑)」

空愛が困ったように笑うと、葉瑠達が「あー、そうゆうこと!(笑)」と声を揃えて笑った。


「―――――ところで空愛。
家政婦は、どう?
何か嫌なことされてない?」
アオナな切り出すように言う。

「はい、大丈夫です!
風松さんは、よくしてくれます。
私みたいな人間にも、合わせてくれてて!」

「ほんとかよ!!」
「空愛は、優しいから!
すぐ庇うでしょ?」
葉瑠とアオナが、鋭い視線を送る。

「それ、俺も毎日確認してるから!」
皐生がそう言って、空愛の頭をポンポンと撫でた。

「………」
「………」
葉瑠とアオナが、意味深に皐生を見る。

「皐生」

「ん?」

「煙草吸いたい。
付き合って」
葉瑠が意味深に言って、皐生を連れ出した。

そして喫煙所に入り、皐生を見据えた。

「空愛はやめとけ」

「は?」

「は?って、お前わかんねぇの?」

「わかんねぇ」

「皐生、お前さっき自分が“どんな表情(かお)”してたかわかる?」

「は?」

「皐生、空愛に惚れてるだろ?」

「惚れてる……
うーん…可愛いな〜とは思ってるよ。
俺の周りにはいないタイプだからね!
大学もスッゲー楽しい!
ほら、ずっと空愛の傍にいるだろ?
空愛も真龍に言い聞かせられてるのか、俺から絶対離れないし。
それが可愛いんだよなぁ〜」

「………」

皐生。
お前、本当にわかんねぇの?

“愛しくて堪らない”って顔してんじゃん!お前。

< 24 / 52 >

この作品をシェア

pagetop