王子とシンデレラの執着愛
一度ソファに向かい合って座る。

「改めまして、今日からお世話になります、風松です!
何か気になることがありましたら、気軽にお申し付けください!」
そう言って、履歴書を渡した。

「こちらこそ、よろしくお願いします」
履歴書を受け取り、空愛も頭を下げた。

真帆も風松の履歴書を見る。
「やっぱ、お若いのね。
真龍と同い年くらいかしら」

「あ、でも、経験は10年以上です!」

「へぇ~」
そして空愛や真帆と一緒にいる男女三人に、なんとなく意識を向けた風松。

「あの…こちらは……」
言葉を濁して言うと、真帆が「あー!」と言った。

「三人とも、真龍のご友人。
こちらの男性二人は、それぞれ同じマンションのここの一つ下に住んでるの」

「俺は、葉瑠(はる)
「俺は、皐生(さつき)
「私はアオナよ」

「俺達はよくここ出入りしてるから、俺達のこともよろしくね!家政婦さん」

「あ、はい!よろしくお願いします!」
イケメン二人に、風松も微笑み返した。


「――――じゃあ…簡単に説明するから、いいかしら?」
真帆に言われ、風松もソファを立ち上がる。

キッチンの中のことなどの説明を受ける。

「冷蔵庫の中の物は自由に使って。
でも、こっちの冷蔵庫はお酒等の飲み物専用で、常に飲み物が揃っているように定期的に補充してね。
それでこれが、常備しておいてほしい飲み物の一覧。
空愛ちゃんが書いてくれたの」

メモ紙を渡され見ると、空愛の丁寧な字が並んでいた。

「わかりました!」

「で、お金は、えーと……
空愛ちゃん!買い物ってどうするんだっけ?」

「あ!」
空愛がキッチンに入ってくる。
棚の引き出しを開けて、ブランド物の財布を取りだした。
「ここに…」

「ありがと!
じゃあ、これを使って?」

「はい、わかりました!」

「真龍さんが毎月現金を入れてくれるので、それで支払ってください」

「わかりました!」


そして……
他の部屋の説明も受ける。

「……………これくらいかな?
風松さんから何か聞きたいことある?」

「大丈夫だと思います」

「………」
頷く風松を意味深に見る、真帆。

「………ん?何、か?」

「あなたも大変ね…」

「え?」

「真龍の家政婦なんて…」

憐れむような、真帆の表情。
協会の責任者や家政婦仲間達も、心配していた。

「あ、あの…大変って、何かあるんですか?」

< 3 / 52 >

この作品をシェア

pagetop