眠れぬ夜は、優しすぎる刑事の腕の中で。
お風呂から出て、髪を乾かして、あたたかいハーブティーを淹れて。
ソファに座る頃には、からだもこころもふんわりと緩んでいた。
ふたりで一枚の膝掛けを共有して、ぴったりとくっついて座る。
肩が触れて、腕が触れて、自然と手も重なる。
「ぽかぽかだねー、たくみ。……いい匂い」
花音は鼻先をくすぐる石けんの香りに目を細めた。
「花音も、いい匂いだよ」
そう言って、匠がそっと頭を撫でてくる。
その手のひらが優しくて、撫でられるたびに心までとろけていくようだった。
「……ふふ」
花音はまるで猫のように、くいっと彼の肩に頬を擦り寄せた。
「今日ね、ちょっとだけ……限界値超えたの」
ぽつりと漏らした。
「でも……たくみの顔見たら、キャパシティ上がった」
それは、冗談でも強がりでもなく、本当に、そうだった。
匠が小さく笑って、すぐ隣で言う。
「キャパシティアップは困るな」
「なんでよ」
頬を膨らませて軽く抗議しながら、花音は彼の目を見つめた。
じっと、まっすぐに。
「ねえ、チューして」
真っ直ぐに言った。甘えではなく、求めるように。
匠は、ほんの少し目を細めて、やさしく花音の額にキスを落とす。
そしてまた、そっと頭を撫でた。
……違う。
それじゃない。
花音は、ちょっと拗ねたように視線をそらす。
「違うの、ちゃんとしたキス」
わかってて、わざとやってるの、そういうとこあるんだから。
「ちゃんとしたキスって?」
匠の声には、わかりやすく意地悪な笑みがにじむ。
花音はもう一度、じっと彼を見つめて。
言葉の代わりに、そっと、彼の唇に触れるようなキスをした。
ほんの少しの距離。
けれど、心の距離を確かに埋める、ちゃんとしたキスだった。
ソファに座る頃には、からだもこころもふんわりと緩んでいた。
ふたりで一枚の膝掛けを共有して、ぴったりとくっついて座る。
肩が触れて、腕が触れて、自然と手も重なる。
「ぽかぽかだねー、たくみ。……いい匂い」
花音は鼻先をくすぐる石けんの香りに目を細めた。
「花音も、いい匂いだよ」
そう言って、匠がそっと頭を撫でてくる。
その手のひらが優しくて、撫でられるたびに心までとろけていくようだった。
「……ふふ」
花音はまるで猫のように、くいっと彼の肩に頬を擦り寄せた。
「今日ね、ちょっとだけ……限界値超えたの」
ぽつりと漏らした。
「でも……たくみの顔見たら、キャパシティ上がった」
それは、冗談でも強がりでもなく、本当に、そうだった。
匠が小さく笑って、すぐ隣で言う。
「キャパシティアップは困るな」
「なんでよ」
頬を膨らませて軽く抗議しながら、花音は彼の目を見つめた。
じっと、まっすぐに。
「ねえ、チューして」
真っ直ぐに言った。甘えではなく、求めるように。
匠は、ほんの少し目を細めて、やさしく花音の額にキスを落とす。
そしてまた、そっと頭を撫でた。
……違う。
それじゃない。
花音は、ちょっと拗ねたように視線をそらす。
「違うの、ちゃんとしたキス」
わかってて、わざとやってるの、そういうとこあるんだから。
「ちゃんとしたキスって?」
匠の声には、わかりやすく意地悪な笑みがにじむ。
花音はもう一度、じっと彼を見つめて。
言葉の代わりに、そっと、彼の唇に触れるようなキスをした。
ほんの少しの距離。
けれど、心の距離を確かに埋める、ちゃんとしたキスだった。