眠れぬ夜は、優しすぎる刑事の腕の中で。
花音のキスに匠は一瞬驚いたように目を見開いた。
だがすぐにその目はとろけるように細まり、ゆっくりと彼女の唇を自分のものに重ねた。

「……花音」
囁くような彼の声に、花音の心臓が高鳴る。

匠の手がそっと花音の頬に触れ、指先で優しく撫でる。
それに応えるように、花音も両手を匠の胸に置いた。

唇が重なり合い、少しずつ熱を帯びていく。
深く、丁寧に、二人の間に言葉のいらないやりとりが広がる。

外の空気は秋の夜の冷たさを感じさせるけれど、二人の間はまるで春の陽だまりのように暖かかった。

長く続いたキスの後、匠はふっと息を吐きながら花音の額にもう一度軽くキスをした。

「大好きだよ」
その言葉は静かに、だけど確かに花音の心に響いた。

花音も笑顔で答えた。
「わたしも、大好き」
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