眠れぬ夜は、優しすぎる刑事の腕の中で。
新田と早瀬はお互いに目配せを交わす。
新田がふっと笑みを浮かべて言った。
「おんぶか?」

花音は顔をしかめて即答した。
「おんぶはちょっと……少しだけ支えがあれば大丈夫です。」

新田はそんな花音の言葉を受けて、早瀬を意味ありげにじっと見つめる。

言葉は交わされずとも、早瀬は花音にゆっくりと近づき、そっと腕を差し出した。

気まずさが場に漂う。何か言えばいいのに、誰も言わずにただ腕を差し出す。

それを見た新田は、ちょっと茶化すように声をかける。
「じゃあ、行きますよ。」

花音は照れくさそうに腕を預けて、3人はゆっくりと部屋を後にした。
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