眠れぬ夜は、優しすぎる刑事の腕の中で。
児相に戻ると、三宅から声がかかった。
「杉並警察署の方からお電話いただいてます。折り返してください、とのことです。」

花音はすぐに携帯を取り出し、番号を確認してからかけ直した。
電話の向こうから聞こえたのは、落ち着いた声で話す早瀬だった。

「佐原さん、お疲れ様です。結咲ちゃんは無事にご自宅に戻ったと聞きましたが、その後変わりありませんか?」

花音は現状を丁寧に報告する。
「はい、母親の美咲さんも多少の不安定さはありますが、大きな問題は今のところありません。結咲ちゃんも保育士の観察では発達に大きな遅れは見られません。」

早瀬は続けて確認する。
「警察としても、結咲ちゃんや美咲さんの安全を考慮し、今後の状況把握を続けたいと思います。何か気になることや変化があれば、必ずご連絡ください。」

花音は頷きながら応えた。
「こちらもリスクアセスメントを継続し、何かあればすぐに警察にも連絡します。情報共有は重要ですから、引き続きよろしくお願いします。」

お互いに安心感を持ちながら、情報のすれ違いがないよう連携を再確認した。
電話を切ったあと、花音は責任の重さを改めて噛み締めるのだった。
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