リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
それから、三人の真ん中に座っている淳平君について。
彼は今日この店で出会ってから、私達女子に対して、ずっと一貫して紳士な姿勢を貫いている。
でも、同じグループのメンバー、というか、特に透君に対してはまるで存在をスルーしているかのように、ほとんど会話をしない。
透君が水をオーダーしようとした時も、いつも先回りするように和哉君が店のインターフォンで連絡をしていて、それがどうも妙に感じる。
私達にはグラスの中身が無くなる前に、素早く機転を利かせて次のドリンクを勧めてくれるのに。
淳平君は異性にのみ優しくて、同性には冷たい人なのか…。
「どうしたの?朱理ちゃん。何かオーダーする?」
私のほとんど凝視に近い視線に気づいた淳平君は、臆することなく、変わらず紳士な対応。