リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「う〜ん。それはそうだけど、まぁそこは仕方ないよ。」
胡兎の発言に、あの年末の出来事を思い出し、少しばかりナーバスな気持ちに、そして麗斗君がゲストに来る日の放送は、どうか何事もなくスムーズに番組が進むように、と願った。
ん…?胡兎がいつもの調子の喋り方に戻ってる…。
この個室に入って淳平君と対面してからは、ずっと一人猫かぶった態度でいたのに、ここにきてやっと普段の状態に戻った様子。
それに気づいて私はホッとしていた。
胡兎だって淳平君の薄情さや不審な点に気づいているはず。
淳平君はどう考えてもいい人とは思えないし、このグループ自体、彼を中心とした嫌なヒエラルキーがあるように思える。
こうして一緒に飲み会に参加してはいるけど、それは純粋に仲が良いからってわけではないんだなってわかる。