リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
…正直なところ、私は和哉君の態度に関しても違和感を感じ始めていた。
間違いなく、私達に知られたくない何かを隠している。
それに雫はどうなんだろう?和哉君と付き合い出して、もう一年。
決して浅い間柄ではないではない二人はお互いの抱えるものをどこまで共有しているんだろうか?
雫もこのグループが隠している何かを知っているのか…。
雫は和哉君に駆け寄り、労(いたわ)るように言った。
「大丈夫?…無理しないで。」
私と胡兎を余所に、その後もただひたすら和哉君を心配している雫の姿は、私の違和感に更に拍車をかける。
初めて二人のことを知らされたあの日、帰りに言われた淳平君の言葉。
和哉君とであれば雫との関係を応援したい…って言おうと思っていたのに、この時は、その気持ちが完全に揺らいでしまい、結局伝える事が出来なかった。