リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




この時、雫は“ここは素直に甘えて大丈夫だよ”と私に耳打ちしてきて、奢られ慣れてる女の子の余裕みたいなものを感じさせた。








お会計が済んで皆が席を立とうとしたその時、目の前の透君が突然ぐらりとふらつき、よろけそうになった。




「おい!大丈夫か透!?トイレ行くか?」




途端に和哉君は淳平君を挟んで座っていた透君の側に素早く移動したかと思うと、強引に透君と肩を組んでそそくさと個室を出ていってしまった。




「まったくアイツは飲み過ぎなんだって。」




白々しくそう言う淳平君に対して、私は思わず心の中で、飲み過ぎなのは“水”でしょ?とツッコミを入れる。








すぐに和哉君と透君はトイレから戻って来た。




「お騒がせしてごめん!でも、もう大丈夫だから。」




先程よりかはマシになったものの、虚ろな目をした透君に寄り添うようにしている和哉君。


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