リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




これは決して自分を卑下しているからではなくて。




俯瞰的に見ても、客観的に見ても、個人的に見ても、真鵺がセンターに収まっている五人の姿が一番しっくりくる。




そう思っていた。





私がセンターの最後のカットが映され、ここで監督が私達五人に被写体としての感想とアドバイス、それから労いの言葉をくれる。





私達もそれぞれ感謝の言葉を述べて、これで今日の仕事も終了の運びとなる。




周りのスタッフさん達も片付けの作業のスピードを加速させていく。







「今回は朱理がセンターなのが良い!」




突然、大声でそう言い出したのは胡兎だった。





自分の切り札のダンスでも真鵺に株を奪われたって思っている胡兎は、どうしてもそれが面白くないのか、代わりに妙に私を持ち上げてくる時がある。




気持ちはわかるけど、やっている事には呆れるしかないし、私にとってもちょっと迷惑だったりする。




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