リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
事務所近くのカフェで私達三人が駄弁っている姿。
周囲の人達から見てどういう風に映っているんだろう?
土曜日の午前中は、サラリーマンらしき人影は少なく、どうやらいつもと客層が違う。
超がつくほど有名っていうわけでもない私達は特に変装するでもなく、このカフェの風景に馴染んている…ようでどこか浮いているようにも思える。
一応、植込みの仕切りで囲われたボックス席に案内してもらった私達は、ちょっとした秘密の会議、的な空間の中で、まずは雫の一言から始まった。
「あの動画が消えて本当に良かった!ね、朱理。」
胡兎も雫も本当にそう思ってくれているようで、私にとってはそこがまず救い。
「そうだね。ありがとう、雫。」