リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「……今ね、和哉君、新しい仕事を探し始めてるの。知り合いのダンサーの人が在籍してるダンススクールのインストラクターの試験を受けに行ったりして。」
和哉君には申し訳ないけれど、やっぱりそうなっても仕方ないだろうなって思ってしまった。
アイドルグループのメインでもないメンバーで、他に活躍できる場も無ければ、後ろ盾になるものも無いなら、違う道に進む以外の選択肢はなくなる。
和哉君が在籍しているのは大手ではない、新設事務所なのだから当然そうなる。
「えっ?なんで!?」
なぜか胡兎がまるで意表を突かれたかのように驚く。
……鈍いんだろうか?
和哉君達の現状を知っているなら、誰だってこんな展開は予想できるはず。
「なんでって…わかるじゃん…。」