リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜

「え〜と…なんていうか、私の事よりもさ、雫は…本当にそれでいいの？」





「心配してくれてありがとう。でもいいの。…今はまだ和哉君に私の気持ちは伝えてなくて。和哉君の新しい仕事が見つかったら、その時に言うつもり。」





雫の決意は揺るがないもの。





「うん、だけどさ！和哉の事を嫌いになったわけじゃないんでしょ？…だったら、お互いまだ好き合ってるのに、別れるまではしなくてよくない！？」




胡兎の声のボリュームがまた上がりだす。




どうしても雫と和哉君が別れる事に納得できないみたいだった。




私は再度“それは雫が決める事だから”って言おうとしたけど、…あの日、私と胡兎を追いかけてきて、雫との事を認めてもらえるように頑張ります…って頭を下げた和哉君を思い出すと、私も胡兎と同じ気持ちにならざるを得なかった。