リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
私はその様子をなんとも言えない気持ちで見届けてから、なんとなくバッグから取り出した携帯の画面をチェックすると、撮影所の中で着信音を消したままにしていた携帯にメッセージが届いている事に気づいた。
“ごめんなさい!少し迎えに行くのが遅くなりそう。局の近くまで来てるけど、検問に引っかかっちゃったの。”
柊子さんからだった。
“了解。私もね、今ちょっと変なハプニングがあったよ。”
それだけ返信して携帯をしまう。
まだ、もう少しだけ時間はある───。
ラウンジコーナーから引き返し、いつもの二階へのエスカレーター前まで来た。
見上げると、そこには例のドラマ番宣用の看板。
ひと目だけでいい…。
ひと目だけでいいから、この目で直に“不破麗斗”という存在を確かめたい───。