リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
ドクンッ───!
心臓を鷲掴みされたような衝撃があった。
無意識のうちに、“これは現実じゃない。演技なんだ”と、何度も自分に言い聞かせる私。
そんな事を思ったところで何の意味もないのに。
だけど、哀しいけれどそれは私が麗斗君にどうしようもないくらい惹かれている証拠。
もう認めるしかない。
私は麗斗君に対して恋愛感情を持ってしまっている。
…にも関わらず、恋人同士を演じる二人からそれでもなお、私は目を離すことができない。
「あ〜…もうちょっとカメラを引いて撮ってみようか!」
監督が指示を出すと、カメラマンが即座に自身の立ち位置をずらす。
「いや、違うな。もう少し下のアングルから…もっと…あともう少し。」
納得がいかないのか、監督はカメラマンの側までやってくると自らカメラを覗き込んで、ああでもないこうでもない、という感じでカメラマンに対して少々荒い口調で議論を始めた。