リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜









見慣れているはずの胡兎の姿が暗くなったスタジオに浮かび上がる姿を見た時、私は初めて胡兎にダンスを教えて欲しいと言った事務所のあのレッスンスタジオでの事を思い出した。








“いいよ。…それならさ〜、まずお手本を見せてあげる。”




ちょっとだけ得意げに笑って踊ってくれた───。










あの時と同じ、じゃなく今、もっとそれ以上に、目の前で踊る胡兎を見て思うのは…、





胡兎が私と同じリアライズの一員でいてくれる事が本当に誇らしい。





ただ、それだけだった。








さっきの宮敷さんの時と同じ曲のサビ部分に入ると、胡兎は更に振りを大きく、全身全霊でステップを踏む───。








気づけばあっという間に曲は終わり、スタジオは拍手と感嘆の声で沸いていた。





スタッフだけじゃなく、ひな壇の女子メンバー達も懸命に胡兎に対して拍手を送ってくれていて、私は心底嬉しかった。



< 352 / 367 >

この作品をシェア

pagetop