リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「…確かに朱理ちゃんにとって直接は関係無い。それだけは間違いないよ。だけどオレと雫の事がメンバーにバレてからは、頻繁にリアライズの事をみんな話題に出すようになった。それで、うちのメンバーの博巳が朱理ちゃんを気に入ってるって言い出して…。」
「えっ……。」
思いがけず、“気に入ってる”の言葉に動揺しつつも、少なくともその事が、あくまでも無実の噂の発端なのでは?と思うと、ルミノサイトというグループに対して俄然、不審感が湧き上がってくる。
「ふ〜ん。じゃあさ、アンタのとこの博巳が朱理と既成事実を作りたくて、その噂広めてるって線も有り得なくない?」
胡兎はあからさまに和哉君に対して懐疑的な態度になっている。
正直、私も和哉君に対しては同じ様な態度だったかもしれない。
ただ、それ以上に私はさっきからずっとダンマリを貫く雫の態度の方にモヤモヤしていた。