リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




「そうだね。もう随分長くオレ達は開店休業状態だから。去年もほとんど活動してないし…でも、麗斗だけは活躍してるからさ……。」




和哉君は哀しげな声で唯一の希望にすがるかのような目で、テーブルの上の携帯の画像に視線を移す。




私はこの時悟った。




きっとこのグループの未来は明るくない。




ルミノサイトというグループは、センターである不破麗斗だけが選ばれ、他は消えていく。




…いや、もしかしたら選ばれた、という以前の話で、このグループ自体、始めから彼だけを売り出す為に企画されたものなのかもしれない。





私はこういう実情を聞いたり、目の当たりにすると、芸能界の厳しさや、いやらしさっていうものをとくと思い知る。




そして和哉君の立場は、明日は我が身かもしれない。




決して他人事ではないのだ。


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