リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「少なくともオレは博巳とは仲良くやってきたつもりだけど…さっきも言ったように五人での仕事はもうずっと無いから、みんな揃って顔を合わせる機会がどんどん少なくなって、…それでも年末にメッセージを送ったら、だいぶ遅かったけど返信は返ってきてたんだ。」
「そうなんだ…。じゃあ今年に入ってから突然連絡がつかなくなっちゃったってことだね。…探るみたいで申し訳ないけど、他のメンバーともそんな感じ?」
グループが終わりを迎える時、一緒に活動してきたメンバーに格差がある場合、こうなってしまうケースも私には容易(たやす)く想像できた。
「あ、いや他のメンバーとは連絡取れてるんだ。けど、他のメンバーも博巳とは連絡がつかないって言ってて…。」
和哉君は沈んだ声でそう言うと、自分のズボンのポケットから携帯を取り出し、画面をチェックするなり溜め息をついた。