報復を最愛の君と
「誰かいるのか?」


私が隠れている箱の前で立ち止まる男。


もう見つかる、と目をぎゅっとつむった。


その時、前の小窓から手が伸びてきて、手首をつかまれた私は外へ勢いよく出た。


まだドクンドクンと、心臓が音を立てている。


さっきの手はなんだったのだろう。


そう考えている間に、私はまた手首をつかまれて走った。


私と同じようにフードをかぶっている、体格からして少年。


私はその少年に続いて走り続けた。


あの倉庫から人が出てくる気配はなかった。


そのことに、私は安堵(あんど)した。
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