君ともう一度、 恋を始めるために
柚葉と涼が再会し、家族として生きていこうと決めてからすでに二年間。
体調を気遣いながらの旅館再建はそれなりに努力のいる作業だった。
それでも莉奈が小学校に上がるまでにはなんとかメドを付けたいと思い走り続けた。
もちろんそこには涼の尽力と、祖母や父の協力があったからこそだ。
みんなの助けのお陰で旅館は営業を再開し、今は父が後継者として祖母の業務を引き継いでいる。
当初、長い間お役所勤めしかしたことのなかった父が旅館の仕事をすると聞き驚いたが、丁寧で間違いのない仕事は周囲からの評判も良い。
社交的な方ではない分穏やかで静かな接客が温泉宿での非日常を求めて来る常連客に好まれているようで、祖母の旅館は父が跡を継ぐことになりそうだ。
そして柚葉は、この春涼の住む東京に引っ越しをした。
これからは都内の高層マンションに住み、子育てと涼のサポートを中心に生活することになるだろう。
もちろんいつかは仕事をしたいと柚葉も思うのだが、神崎家の一人息子である涼の妻となればそれなりの付き合いも生まれる。
実際、現神崎家当主の妻である涼の母も日々忙しく出かけている。
柚葉もこれからはお付き合いとして社交界に出て行くことも増えるだろう。
体調を気遣いながらの旅館再建はそれなりに努力のいる作業だった。
それでも莉奈が小学校に上がるまでにはなんとかメドを付けたいと思い走り続けた。
もちろんそこには涼の尽力と、祖母や父の協力があったからこそだ。
みんなの助けのお陰で旅館は営業を再開し、今は父が後継者として祖母の業務を引き継いでいる。
当初、長い間お役所勤めしかしたことのなかった父が旅館の仕事をすると聞き驚いたが、丁寧で間違いのない仕事は周囲からの評判も良い。
社交的な方ではない分穏やかで静かな接客が温泉宿での非日常を求めて来る常連客に好まれているようで、祖母の旅館は父が跡を継ぐことになりそうだ。
そして柚葉は、この春涼の住む東京に引っ越しをした。
これからは都内の高層マンションに住み、子育てと涼のサポートを中心に生活することになるだろう。
もちろんいつかは仕事をしたいと柚葉も思うのだが、神崎家の一人息子である涼の妻となればそれなりの付き合いも生まれる。
実際、現神崎家当主の妻である涼の母も日々忙しく出かけている。
柚葉もこれからはお付き合いとして社交界に出て行くことも増えるだろう。