君ともう一度、 恋を始めるために
「ねえ、莉奈。赤ちゃんが生まれたらどんなお姉ちゃんになるの?」

涼が笑いながら問いかける。

「優しいお姉ちゃんになる!いっぱい絵本読んであげるの」

莉奈は目を輝かせ、胸を張って答えた。
柚葉は思わず微笑む。
かつて迷いながら歩んできた道が、こうして幸福な未来へと続いている。
門司での再会から、あの場所で柚葉が選んだ「もう一度向き合う」という決断は、この穏やかな日常へと繋がっていた。

「これからも、一緒に歩んでいこう」

涼は柚葉の肩にそっと手を置き、小さく囁く。
柚葉は静かに頷いた。
風に乗って桜の花びらが窓の向こうで舞い、莉奈の笑い声とともに春の訪れを知らせていた。



fin
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