Good day ! 4【書籍化】
「おかあさん、ここすてきなところね。ジュースはおいしいし、ひこうきもみえるし。はあ、うっとりしちゃう」
カフェの窓際のカウンターに並んで座り、しみじみと呟く舞に、恵真は笑いを堪える。
「そうでしょう? お母さんのお気に入りの場所なの。舞が生まれるずっと前にも、よくここに来てたのよ」
「そうなの? ひとりで?」
「一人の時もあったけど、お父さんとばったり会ったこともあるの」
かつてクロスウインドランディングの勉強をしていた時に、大和と偶然会ったことを思い出した。
(まさにこの席だったわよね。あの頃の私って、大和さんの顔を見ただけであたふたしてたっけ。かっこ良くて優秀な、憧れのキャプテンだったから)
すると舞が不思議そうに顔を覗き込んでくる。
「おかあさん、ほっぺがりんごみたいにあかいよ?」
「え、そう?」
「うん。おねつあるの?」
「ないない、大丈夫だから」
まさか娘にまで突っ込まれるとは、と恵真は慌てて表情を引き締めた。
それにしても、今こうして娘と一緒にあの時の席に座っているなんて、と感慨深くなる。
「舞。お母さんね、舞と翼が生まれて来てくれて、本当に幸せなの。いつもありがとう、舞。大好きよ」
そう言うと、舞はハッとしたように恵真の顔を見上げた。
その目がみるみるうちに涙で潤んでいく。
「どうしたの? 舞」
ギュッと抱きついてきた舞を抱きしめ、恵真は優しく頭をなでた。
「なにか悲しいことがあったの?」
「ううん、ちがうの。おかあさんがだいすきっていってくれたから、うれしくてなみだがでたの。わたしもおかあさんがだいすき」
「……そう、それならよかった」
「おとうさんもおにいちゃんもだいすき。わたし、かぞくよにんがだいすきなの」
「お母さんもよ。4人でいる時が一番幸せ」
「うん」
「4人でいれば寂しくない。元気をもらえるし、味方になってくれる。舞、いつもみんながついてるからね」
「うん!」
恵真の胸に顔をうずめて頷く舞を、恵真はいつまでも愛おしそうに抱きしめていた。
カフェの窓際のカウンターに並んで座り、しみじみと呟く舞に、恵真は笑いを堪える。
「そうでしょう? お母さんのお気に入りの場所なの。舞が生まれるずっと前にも、よくここに来てたのよ」
「そうなの? ひとりで?」
「一人の時もあったけど、お父さんとばったり会ったこともあるの」
かつてクロスウインドランディングの勉強をしていた時に、大和と偶然会ったことを思い出した。
(まさにこの席だったわよね。あの頃の私って、大和さんの顔を見ただけであたふたしてたっけ。かっこ良くて優秀な、憧れのキャプテンだったから)
すると舞が不思議そうに顔を覗き込んでくる。
「おかあさん、ほっぺがりんごみたいにあかいよ?」
「え、そう?」
「うん。おねつあるの?」
「ないない、大丈夫だから」
まさか娘にまで突っ込まれるとは、と恵真は慌てて表情を引き締めた。
それにしても、今こうして娘と一緒にあの時の席に座っているなんて、と感慨深くなる。
「舞。お母さんね、舞と翼が生まれて来てくれて、本当に幸せなの。いつもありがとう、舞。大好きよ」
そう言うと、舞はハッとしたように恵真の顔を見上げた。
その目がみるみるうちに涙で潤んでいく。
「どうしたの? 舞」
ギュッと抱きついてきた舞を抱きしめ、恵真は優しく頭をなでた。
「なにか悲しいことがあったの?」
「ううん、ちがうの。おかあさんがだいすきっていってくれたから、うれしくてなみだがでたの。わたしもおかあさんがだいすき」
「……そう、それならよかった」
「おとうさんもおにいちゃんもだいすき。わたし、かぞくよにんがだいすきなの」
「お母さんもよ。4人でいる時が一番幸せ」
「うん」
「4人でいれば寂しくない。元気をもらえるし、味方になってくれる。舞、いつもみんながついてるからね」
「うん!」
恵真の胸に顔をうずめて頷く舞を、恵真はいつまでも愛おしそうに抱きしめていた。