Good day ! 4【書籍化】
1階のブティックに行くと、入り口にはハワイのホテルの写真がたくさん飾られ、紹介映像も流れていた。
「懐かしい、ホノルルの景色」
アメリカ大統領やハリウッドセレブがホテルを訪れた時の写真を眺めてから、ブティックで買い物を楽しむ。
恵真はブルーのモンステラ柄のリゾートワンピースとプルメリアのネックレスを買い、部屋で着替えてからラウンジに向かった。
「恵真、そのワンピースよく似合ってる」
「ふふっ、ありがとうございます。思いがけずリゾート気分になれて嬉しい」
腕を組んで微笑み合い、グランドピアノが置かれたクラシカルな内装のラウンジに入る。
「ゴージャスなシャンデリアですね」
「ああ。オーキッドをイメージしたデザインらしい」
シックで落ち着いた雰囲気の中、スタイリッシュな3段のスタンドでアフターヌーンティーが運ばれてきた。
南国のフルーツをふんだんに使った上品な味わいのケーキやデザートを、恵真は満面の笑みで味わう。
翼と舞のお土産にと、オリジナルのフロマージュのホールケーキもテイクアウトした。
部屋に戻り、きれいな景色を見ながらソファでひと息つく。
「はあ、幸せ。なんだか本当にハワイに来たみたい」
「恵真、ホノルルにもう何年も飛んでないだろ? 気分だけでも味わえたらと思って」
「そうだったのね。ありがとう、大和さん」
恵真は大和ににっこり笑いかけてから、きらめく海の先を見つめた。
「ホノルルは、私にとって大切な場所です。ハネムーンフライトで大和さんと飛んで、そのあと両親と子どもたちを乗せて飛んで……」
「ああ、フライトデビューだったな。だけど恵真、あともう1つ残ってるぞ?」
「ええ、そうですね」
『フルムーンフライト』
二人の声が重なる。
翼と舞が20歳になった時、大和と恵真でまたホノルルに飛ぶ。
それは二人にとっての大きな目標だった。
「あと14年後ですね。翼も舞も、どんなふうに成長してるでしょうか」
「そうだな。舞はますます恵真に似て、美人なお姉さんになってるだろうな。翼は……、俺の身長超えてそう」
心なしか肩を落とす大和に、恵真は思わず笑い出した。
「大和さん、180cmもあるじゃないですか」
「でもそろそろ縮むかもしれない」
「ええ!? 縮みませんよ」
「だといいけど」
「もう、大和さんたら。時々急に変なこと言い出すんだから」
明るく笑う恵真を、大和は優しく見つめる。
「楽しみで仕方ないよ。もう一度恵真と一緒にホノルルに飛ぶ日が」
「私もです。また両親と子どもたちをキャビンに乗せて飛びましょう」
「ああ、必ず」
少しずつ傾き始めた太陽が、水面をキラキラと輝かせる。
そんな海を二人で静かに眺め、心地良い時間に身を委ねた。
幸せと愛しさ、二人の気持ちが通じ合うのを感じる。
大和は恵真の肩を抱き寄せ、そっと優しいキスを贈った。
「懐かしい、ホノルルの景色」
アメリカ大統領やハリウッドセレブがホテルを訪れた時の写真を眺めてから、ブティックで買い物を楽しむ。
恵真はブルーのモンステラ柄のリゾートワンピースとプルメリアのネックレスを買い、部屋で着替えてからラウンジに向かった。
「恵真、そのワンピースよく似合ってる」
「ふふっ、ありがとうございます。思いがけずリゾート気分になれて嬉しい」
腕を組んで微笑み合い、グランドピアノが置かれたクラシカルな内装のラウンジに入る。
「ゴージャスなシャンデリアですね」
「ああ。オーキッドをイメージしたデザインらしい」
シックで落ち着いた雰囲気の中、スタイリッシュな3段のスタンドでアフターヌーンティーが運ばれてきた。
南国のフルーツをふんだんに使った上品な味わいのケーキやデザートを、恵真は満面の笑みで味わう。
翼と舞のお土産にと、オリジナルのフロマージュのホールケーキもテイクアウトした。
部屋に戻り、きれいな景色を見ながらソファでひと息つく。
「はあ、幸せ。なんだか本当にハワイに来たみたい」
「恵真、ホノルルにもう何年も飛んでないだろ? 気分だけでも味わえたらと思って」
「そうだったのね。ありがとう、大和さん」
恵真は大和ににっこり笑いかけてから、きらめく海の先を見つめた。
「ホノルルは、私にとって大切な場所です。ハネムーンフライトで大和さんと飛んで、そのあと両親と子どもたちを乗せて飛んで……」
「ああ、フライトデビューだったな。だけど恵真、あともう1つ残ってるぞ?」
「ええ、そうですね」
『フルムーンフライト』
二人の声が重なる。
翼と舞が20歳になった時、大和と恵真でまたホノルルに飛ぶ。
それは二人にとっての大きな目標だった。
「あと14年後ですね。翼も舞も、どんなふうに成長してるでしょうか」
「そうだな。舞はますます恵真に似て、美人なお姉さんになってるだろうな。翼は……、俺の身長超えてそう」
心なしか肩を落とす大和に、恵真は思わず笑い出した。
「大和さん、180cmもあるじゃないですか」
「でもそろそろ縮むかもしれない」
「ええ!? 縮みませんよ」
「だといいけど」
「もう、大和さんたら。時々急に変なこと言い出すんだから」
明るく笑う恵真を、大和は優しく見つめる。
「楽しみで仕方ないよ。もう一度恵真と一緒にホノルルに飛ぶ日が」
「私もです。また両親と子どもたちをキャビンに乗せて飛びましょう」
「ああ、必ず」
少しずつ傾き始めた太陽が、水面をキラキラと輝かせる。
そんな海を二人で静かに眺め、心地良い時間に身を委ねた。
幸せと愛しさ、二人の気持ちが通じ合うのを感じる。
大和は恵真の肩を抱き寄せ、そっと優しいキスを贈った。