Good day ! 4【書籍化】
「わあ、きれいな海。素敵!」
「はい、着いたよ。時刻は……おっ、まさに8時20分! ははっ、恵真といるとほんとに色々楽しいな」
笑いながら大和が車を停めたのは、海沿いのラグジュアリーなホテルのエントランスだった。
「えっ、大和さん、ここって?」
「ハワイのオアフ島にあるだろ? 名門のリゾートホテル。そこが横浜のみなとみらいにもホテルをオープンさせたんだ」
そう言って車を降りると、大和はスタッフが開けた助手席のドアから恵真に手を差し伸べる。
「どうぞ」
「ありがとう」
大和の手を借りて降りた恵真は、そびえ立つクリスタルモダンなホテルの外観を見上げた。
「本当だ。ハワイのホテルと同じ、お花のロゴが使われてますね」
「ああ、一度来てみたかったんだ」
バレーパーキングのスタッフに車を預けると、二人は腕を組んでエントランスに足を踏み入れた。
「ようこそいらっしゃいませ。14階のスカイロビーにご案内いたします」
優雅な身のこなしのスタッフに案内されて、エレベーターで14階まで上がる。
開放的な明るい空間とほのかに漂う花の香りは、すぐさま恵真の心をハワイへといざなった。
「素敵………」
高さ5mの窓の外に広がる海。
ワインレッドがアクセントになったゴージャスなソファ。
白い大理石の床と、クリスタルが輝くシャンデリア、そして豪華な生花も飾られている。
恵真がうっとりと見とれている間に、大和はプルメリアを髪に飾った女性スタッフと何やら手続きを済ませた。
「恵真、部屋で軽く朝食を食べよう」
「え、お部屋? それって、客室を予約していたってこと?」
「そう。レイトチェックアウトにしてあるから、夕方の4時までここで過ごそう」
「ちょっと待って。まさか大和さん、夕べから一泊分の料金を払ったの?」
「ん? そんなこと気にしないで。ほら、行くぞ」
大和は恵真の手を取ると、エレベーターで客室フロアに向かった。
「この部屋だな、どうぞ」
ドアを開けて促され、恵真はそっと部屋に入る。
正面の大きな窓から、みなとみらいの海を一望出来る見事なパノラマが目に飛び込んできた。
「わあ、なんてきれいなの」
さっきまでの日常が嘘のように、恵真は心が浮き立つ。
「恵真、まだまだやることはたくさんあるぞ。まずは朝食を食べよう。頼んでおいたから、すぐに届くよ」
その言葉通り、しばらくすると部屋のチャイムが鳴る。
ハワイらしく、マラサダやエッグベネディクトなども並ぶ豪華な朝食が運ばれてきた。
「美味しい! きれいな景色を眺めながら食べられるなんて、贅沢ね」
「恵真、10時からエステを予約してあるから行っておいで」
「ええ!? エステですか?」
「そう。俺はその間ジムに行ってるよ」
え、あの?と戸惑っている間に、あれよあれよと大和に連れて行かれる。
「じゃあ、恵真。あとでな。部屋で待ってる」
「あ、はい」
今度はにこやかなスタッフに連れられて、またもやあれよあれよと言う間にトリートメントサロンに案内された。
良い香りに包まれながら全身をケアしてもらい、恵真は思わずため息をつく。
(はあ、気持ちいい。身体がほぐれていく感じ)
身も心もリフレッシュして、晴れやかな顔で部屋に戻る。
「おかえり、恵真」
「や、大和さん!?」
タオルで髪を乾かしながら振り返った大和は、ジムから戻ってシャワーを浴びていたらしく、胸元がちらりと覗くバスローブ姿だった。
いきなり漂う大人の男の色気に、恵真は真っ赤になる。
「どうした? 恵真。ひょっとして、エステでのぼせた?」
「いや、エステではのぼせてませんけど……」
すると大和はニヤリと笑う。
「ふうん。じゃあ、俺にのぼせたの?」
恵真は言葉を失ってますます頬を赤らめた。
大和は不敵な笑みを浮かべて恵真を抱き寄せる。
「恵真、いい香りがする。俺も恵真にのぼせそう」
耳元でささやくと、そのまま恵真をベッドに押し倒した。
「ちょっと、待って……。あ、大和さん! 次の予定は?」
ああ、と大和は少し顔をしかめた。
「13時からアフターヌーンティーの予約入れちゃった。あと30分か……。しまったな」
「全然しまってませんよ! ほら、早く着替えてください」
「仕方ない、行くか。せっかくだからブティックで恵真の服も買おう」
「はい、行きましょう!」
恵真はそそくさと起き上がった。
「はい、着いたよ。時刻は……おっ、まさに8時20分! ははっ、恵真といるとほんとに色々楽しいな」
笑いながら大和が車を停めたのは、海沿いのラグジュアリーなホテルのエントランスだった。
「えっ、大和さん、ここって?」
「ハワイのオアフ島にあるだろ? 名門のリゾートホテル。そこが横浜のみなとみらいにもホテルをオープンさせたんだ」
そう言って車を降りると、大和はスタッフが開けた助手席のドアから恵真に手を差し伸べる。
「どうぞ」
「ありがとう」
大和の手を借りて降りた恵真は、そびえ立つクリスタルモダンなホテルの外観を見上げた。
「本当だ。ハワイのホテルと同じ、お花のロゴが使われてますね」
「ああ、一度来てみたかったんだ」
バレーパーキングのスタッフに車を預けると、二人は腕を組んでエントランスに足を踏み入れた。
「ようこそいらっしゃいませ。14階のスカイロビーにご案内いたします」
優雅な身のこなしのスタッフに案内されて、エレベーターで14階まで上がる。
開放的な明るい空間とほのかに漂う花の香りは、すぐさま恵真の心をハワイへといざなった。
「素敵………」
高さ5mの窓の外に広がる海。
ワインレッドがアクセントになったゴージャスなソファ。
白い大理石の床と、クリスタルが輝くシャンデリア、そして豪華な生花も飾られている。
恵真がうっとりと見とれている間に、大和はプルメリアを髪に飾った女性スタッフと何やら手続きを済ませた。
「恵真、部屋で軽く朝食を食べよう」
「え、お部屋? それって、客室を予約していたってこと?」
「そう。レイトチェックアウトにしてあるから、夕方の4時までここで過ごそう」
「ちょっと待って。まさか大和さん、夕べから一泊分の料金を払ったの?」
「ん? そんなこと気にしないで。ほら、行くぞ」
大和は恵真の手を取ると、エレベーターで客室フロアに向かった。
「この部屋だな、どうぞ」
ドアを開けて促され、恵真はそっと部屋に入る。
正面の大きな窓から、みなとみらいの海を一望出来る見事なパノラマが目に飛び込んできた。
「わあ、なんてきれいなの」
さっきまでの日常が嘘のように、恵真は心が浮き立つ。
「恵真、まだまだやることはたくさんあるぞ。まずは朝食を食べよう。頼んでおいたから、すぐに届くよ」
その言葉通り、しばらくすると部屋のチャイムが鳴る。
ハワイらしく、マラサダやエッグベネディクトなども並ぶ豪華な朝食が運ばれてきた。
「美味しい! きれいな景色を眺めながら食べられるなんて、贅沢ね」
「恵真、10時からエステを予約してあるから行っておいで」
「ええ!? エステですか?」
「そう。俺はその間ジムに行ってるよ」
え、あの?と戸惑っている間に、あれよあれよと大和に連れて行かれる。
「じゃあ、恵真。あとでな。部屋で待ってる」
「あ、はい」
今度はにこやかなスタッフに連れられて、またもやあれよあれよと言う間にトリートメントサロンに案内された。
良い香りに包まれながら全身をケアしてもらい、恵真は思わずため息をつく。
(はあ、気持ちいい。身体がほぐれていく感じ)
身も心もリフレッシュして、晴れやかな顔で部屋に戻る。
「おかえり、恵真」
「や、大和さん!?」
タオルで髪を乾かしながら振り返った大和は、ジムから戻ってシャワーを浴びていたらしく、胸元がちらりと覗くバスローブ姿だった。
いきなり漂う大人の男の色気に、恵真は真っ赤になる。
「どうした? 恵真。ひょっとして、エステでのぼせた?」
「いや、エステではのぼせてませんけど……」
すると大和はニヤリと笑う。
「ふうん。じゃあ、俺にのぼせたの?」
恵真は言葉を失ってますます頬を赤らめた。
大和は不敵な笑みを浮かべて恵真を抱き寄せる。
「恵真、いい香りがする。俺も恵真にのぼせそう」
耳元でささやくと、そのまま恵真をベッドに押し倒した。
「ちょっと、待って……。あ、大和さん! 次の予定は?」
ああ、と大和は少し顔をしかめた。
「13時からアフターヌーンティーの予約入れちゃった。あと30分か……。しまったな」
「全然しまってませんよ! ほら、早く着替えてください」
「仕方ない、行くか。せっかくだからブティックで恵真の服も買おう」
「はい、行きましょう!」
恵真はそそくさと起き上がった。