Good day ! 4【書籍化】
「あー、ちょうど始まった頃ですね。大丈夫かな。翼は物理と数学は得意だけど、英語は苦手だし。舞は逆に英語が得意で、理系はイマイチ。もう、足して2で割ったらちょうどいいのに」
恵真は何度も時計を見ながら、しきりに大和に話しかける。
「恵真、落ち着きなって」
「そうなんですけど、気になっちゃって。フライトがあった方がよかったかも」
スケジューラーが配慮してくれたのか、この日は恵真も大和もオフだった。
「もしかしたら、気もそぞろになって危ないから外されたのかもよ?」
そう言って大和は笑う。
「いざフライトとなったら、ちゃんと気持ち切り替えて集中しますよ?」
「でもまあ、朝は二人を見送って、帰って来たらおかえりって出迎えられるようにって、スケジューラーさんが気を遣ってくれたんだろうな」
「そうですね、ありがたいです。さてと、お昼ご飯作りますね。翼たちには食べやすいおにぎりを持たせたんですけど、私たちはゲンかつぎでカツ丼にでもしますか?」
「ははっ、なんか二人に悪いな。カツ丼は夕食にして、昼は俺たちもおにぎりにしよう」
「はい。では受験生弁当で」
二人で笑いながらおにぎりを握り、卵焼きとからあげを二つ食べた。
「ただいまー」
夕方になり、帰って来た二人を、大和と恵真は玄関で出迎える。
「おかえり。どうだった?」
「うん、まあまあかな。帰り道にお兄ちゃんと答え合わせしたけど、結構合ってた」
そう言う舞の表情はどこか晴れやかだった。
「そう。お弁当、あれで足りた?」
すると翼と舞が思い出したように笑う。
「それがさ。別の部屋で受験してた翔一が、昼休みに半泣きで俺たちのところに来たんだ。てっきり、前半の英語が出来なかったのかと思って心配したら、『食べかけの弁当、落っことした!』って」
「そうそう。しかも落っことしたのが縁起悪くて気にしてるのかと思ったら、翔くん『足りない、お腹空く、どうしよう』って。だから私とお兄ちゃんでおかず分けてあげたの。もうね、緊張感とかあっさり吹き飛んじゃった」
「だよな」
顔を見合わせて笑い合う翼と舞の明るい様子に、恵真も大和と一緒に頬を緩めた。
「とにかくお疲れ様。夕食はカツ丼にしたの。早速食べようか」
「えー、お母さん。ゲンかつぎなら試験前に食べるものなんじゃない?」
「あ、そうか! ごめん。夕べ何も考えずに肉じゃがにしちゃったね」
「ふふっ、いいよ。いつも通りが逆にありがたかったから。あー、ホッとしたらお腹空いちゃった。カツ丼楽しみ」
「たくさん作ったからね。舞の好きなお吸い物と、翼の好きなお漬物もあるから」
「やった!」
4人で賑やかに夕食を味わった。
恵真は何度も時計を見ながら、しきりに大和に話しかける。
「恵真、落ち着きなって」
「そうなんですけど、気になっちゃって。フライトがあった方がよかったかも」
スケジューラーが配慮してくれたのか、この日は恵真も大和もオフだった。
「もしかしたら、気もそぞろになって危ないから外されたのかもよ?」
そう言って大和は笑う。
「いざフライトとなったら、ちゃんと気持ち切り替えて集中しますよ?」
「でもまあ、朝は二人を見送って、帰って来たらおかえりって出迎えられるようにって、スケジューラーさんが気を遣ってくれたんだろうな」
「そうですね、ありがたいです。さてと、お昼ご飯作りますね。翼たちには食べやすいおにぎりを持たせたんですけど、私たちはゲンかつぎでカツ丼にでもしますか?」
「ははっ、なんか二人に悪いな。カツ丼は夕食にして、昼は俺たちもおにぎりにしよう」
「はい。では受験生弁当で」
二人で笑いながらおにぎりを握り、卵焼きとからあげを二つ食べた。
「ただいまー」
夕方になり、帰って来た二人を、大和と恵真は玄関で出迎える。
「おかえり。どうだった?」
「うん、まあまあかな。帰り道にお兄ちゃんと答え合わせしたけど、結構合ってた」
そう言う舞の表情はどこか晴れやかだった。
「そう。お弁当、あれで足りた?」
すると翼と舞が思い出したように笑う。
「それがさ。別の部屋で受験してた翔一が、昼休みに半泣きで俺たちのところに来たんだ。てっきり、前半の英語が出来なかったのかと思って心配したら、『食べかけの弁当、落っことした!』って」
「そうそう。しかも落っことしたのが縁起悪くて気にしてるのかと思ったら、翔くん『足りない、お腹空く、どうしよう』って。だから私とお兄ちゃんでおかず分けてあげたの。もうね、緊張感とかあっさり吹き飛んじゃった」
「だよな」
顔を見合わせて笑い合う翼と舞の明るい様子に、恵真も大和と一緒に頬を緩めた。
「とにかくお疲れ様。夕食はカツ丼にしたの。早速食べようか」
「えー、お母さん。ゲンかつぎなら試験前に食べるものなんじゃない?」
「あ、そうか! ごめん。夕べ何も考えずに肉じゃがにしちゃったね」
「ふふっ、いいよ。いつも通りが逆にありがたかったから。あー、ホッとしたらお腹空いちゃった。カツ丼楽しみ」
「たくさん作ったからね。舞の好きなお吸い物と、翼の好きなお漬物もあるから」
「やった!」
4人で賑やかに夕食を味わった。