Good day ! 4【書籍化】
ターミナルビルを横切り、関係者入り口のドアで暗証番号を入力しようとした時だった。
「佐倉くん、藤崎くん」
ふいに呼ばれて二人は振り返る。
「谷口教官!」
白髪混じりで笑顔を浮かべて立っていたのは、航空大学校の帯広フライト課程でお世話になった谷口教官だった。
当時は常に厳しい表情だったが、今はとにかく嬉しそうに破顔している。
「お久しぶりです。すっかりご無沙汰してしまい……。お元気でしたか?」
「ああ、なんとかね。君たちの活躍は、いつも風のたよりに聞いていたよ。二人とも立派なキャプテンになったな」
「ありがとうございます。谷口教官を初め、色んな方のおかげです」
「航大時代から、佐倉くんも藤崎くんも優秀だと思っていたけど、まさかその二人が結婚するとはなあ。しかも双子のお子さんたち、航大に合格したんだって? 現役の教官たちが、ざわついてたよ」
ざわつく……?と、恵真も大和も苦笑いの表情になる。
「今日のフライトを、心から楽しみにしていたんだ。ぜひとも、ベストフライトを頼むよ?」
「は、はい」
「ははっ! 二人ともその顔、学生時代を思い出すよ」
「谷口教官に評価していただく時は、いつも緊張していましたから」
「じゃあ今日も厳しくチェックしよう。なんて、冗談だよ。それじゃあ、行ってらっしゃい」
そう言って谷口教官は、かつてのキリッとした顔つきで親指を立ててみせた。
「行ってきます」
大和と恵真もパイロットの顔になり、サムアップで応えた。
「佐倉くん、藤崎くん」
ふいに呼ばれて二人は振り返る。
「谷口教官!」
白髪混じりで笑顔を浮かべて立っていたのは、航空大学校の帯広フライト課程でお世話になった谷口教官だった。
当時は常に厳しい表情だったが、今はとにかく嬉しそうに破顔している。
「お久しぶりです。すっかりご無沙汰してしまい……。お元気でしたか?」
「ああ、なんとかね。君たちの活躍は、いつも風のたよりに聞いていたよ。二人とも立派なキャプテンになったな」
「ありがとうございます。谷口教官を初め、色んな方のおかげです」
「航大時代から、佐倉くんも藤崎くんも優秀だと思っていたけど、まさかその二人が結婚するとはなあ。しかも双子のお子さんたち、航大に合格したんだって? 現役の教官たちが、ざわついてたよ」
ざわつく……?と、恵真も大和も苦笑いの表情になる。
「今日のフライトを、心から楽しみにしていたんだ。ぜひとも、ベストフライトを頼むよ?」
「は、はい」
「ははっ! 二人ともその顔、学生時代を思い出すよ」
「谷口教官に評価していただく時は、いつも緊張していましたから」
「じゃあ今日も厳しくチェックしよう。なんて、冗談だよ。それじゃあ、行ってらっしゃい」
そう言って谷口教官は、かつてのキリッとした顔つきで親指を立ててみせた。
「行ってきます」
大和と恵真もパイロットの顔になり、サムアップで応えた。