蛍火のような恋だった
視線をカレンダーから、彩綾ちゃんに移す。
「ほら、夏といえば海!学校じゃプールないし、ぜんっぜん夏っぽいことしてないじゃん?だから夏休みに海行って、パーっと泳ぎたい!…でもまあ、海までは遠いから、プールも全然楽しいけど!」
楽しそうに話す彩綾ちゃんを見て、ものすごく申し訳ない気持ちになる。
「…私」
「おい、裕也何して…」
言葉を発しようとした私は、近くでした中島くんの声に、口を閉じた。
峯岸くんが中島くんの腕を引いて私の席に来た。
私の机を取り囲むように、彩綾ちゃんと峯岸くん、そして少し離れたところに、中島くん。
顔を上げたら中島くんと目が合ってしまいそうで、私は目線を少し下げて、なるべく机を見つめる。
「海行くなら、俺たちも仲間に入れてくれよー!」
彩綾ちゃんの話を聞いていたのか、峯岸くんが言う。
「なんであんたたちも誘わなきゃいけないのよ」
彩綾ちゃんと峯岸くん、中島くんは小学校が同じだから仲はいいのだろう。
「学校じゃ見れない、女子の水着姿……最高じゃねえか!なあ、凪!」
「はあ?ほんっと男子って、バカみたい」
目をキラキラさせる峯岸くんを、彩綾ちゃんはため息をついて見ている。