蛍火のような恋だった
リビングにお邪魔すると、さっきまで湊くんがやっていたのか、テレビゲームの画面がそのままになっている。
「ね、ね、お姉ちゃんなんて名前?」
湊くんは腕を引いて、目をキラキラさせている。
「私、岸田 蛍。中島くんと同じクラスなの。よろしくね」
「俺、中島 湊!ね、お姉ちゃんゲーム得意?」
「…ゲーム?」
「うん!これ、一緒にやろうよ!あのね、兄ちゃん相手じゃ超弱っちくてつまんないんだー」
湊くんがグイグイと手を引いてくる。
無邪気な姿が可愛くて、思わずクスッと笑ってしまった。
「おい湊、いい加減に…」
「いいよ、ゲームやろっか。でもお姉ちゃん、超強いかもよ?」
ゲームなら、入院中に他の子たちとうんざりするほどやっていた。
テレビゲームは初めてだけど、コツを掴んじゃえば、他のゲームとそんなに変わりないかもしれない。
「悪い…」
中島くんは後ろ髪をかきながら、申し訳なさそうにしている。
「ううん。全然」
「早くやろ!蛍姉ちゃん、こっちのコントローラーね」
湊くんからコントローラーを受け取る。
「ありがとう。ね、どのボタンで何ができるのかだけ教えてくれる?」
「うん!まずこれはねーー」
無邪気な横顔を見ると、自然と顔が綻ぶ。
兄弟がいるって、こんな感じなんだろうなあ……
こうやって一緒にゲームをやるとか、ずっと憧れだった。