蛍火のような恋だった

「わっ、今の危なかったー。蛍姉ちゃんやるー!」

手元を見ずに、器用にコントローラーを動かす湊くん。

私も負けじと画面に食らいつく。

それからしばらくして…

「うわっ!…あーあ、負けちゃった」

画面に大きく、"GAME OVER"の文字が弾けた。

「どう?お姉ちゃん、強かったでしょう?」

「うん!すっげえ楽しかった!ね、今度は違うゲームやろうよ」

「いいけど、少し休憩しよっか。目疲れちゃうから」

「うん!俺喉乾いちゃった……って、あれ、兄ちゃんは?」

「……え?」

気づけば、ソファに座っていたはずの中島くんの姿がない。

そのとき、階段を降りてくる足音が響いた。

「もう兄ちゃんどこ行って…それ、サッカーボール?」

サッカーボールを抱えた中島くんが、ちらりと私を見る。

何をするのだろうと、私は思わず首を傾げた。




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