君に恋をする予感〜運命の人は誰ですか!?〜
ただでさえ嫌われているのに、これ以上嫌われたくなくて無難なフルネームで呼んでいたのもそうだし、なぜか霧島慧也を普通に呼ぶのはなんだか気恥ずかしくて…。

って、そういえば私、なんでこんなことをずっと思っていたのだろう…?

他の人だと普通に名前で呼べるのに。


「悪かったな。冷たい態度ばかり取って。俺も、世界で苦しんでいるのは自分だけだって勘違いしてたのかもしれない。どうせ俺の気持ちなんてわかるはずがないのに、歩み寄ろうとしてくるおまえに心底ムカついてた」

「…ううん。傷口に塩を塗るような真似をして図々しかったのは、私だし。嫌われて当然だよ」

「なんて、本当はムカついて八つ当たりをしてただけで、ずっとおまえが眩しかった」

「…え?」

「自分の力だけでどんどん簡単に人の心に入り込んでいくおまえは、いつの間にか俺の心の奥底まで来ていた。自分が持っている能力が嫌いで、もう全てがどうでもいいと思っていた時、似ているようで全く似ていないおまえと出会って、俺はたしかに救われた。俺みたいに弱い一面もあるかと思いきや、それ以上に強く突き進んでいけるおまえが羨ましかったんだ。俺はこの目のせいでどこにいたって疎まれてきたから。光瑠だけが、ただ純粋に褒めてくれて、妹であるおまえも偽善ではなくただ純粋に俺を助けようとしてくれた。それが眩しくて、俺には素直に受け取ることができなかったんだ」

「それをどうして今になって…」

「今だからだ。光莉として戻ったおまえだから教えたんだ」


突然ぐいっと霧島慧也に腕を引かれたかと思うと、その広い胸の中でぎゅっと強く抱きしめられた。


「光瑠の代わりなんかじゃなくて、今度は恋苺光莉としてこの学校に来いよ。おまえの居場所はここだろ?」

「…っ」
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