アルト、花火を体験する【アルトレコード】
「北斗、約束したのに」
文句はやがて泣きべそへと変わっていく。
アルトが泣きべそをかくのは随分と久しぶりだ。楽しみにしていたのだろう。北斗さんが同行するなんて初めてだから。
「きっと来てくれるよ。大丈夫」
それからも話しかけ続け、会場の駐車場に着くころにはなんとか機嫌を直してもらえた。
「……先生、ごめんね」
駐車場でビークルを降りるなり、アルトが謝ってくれた。
「うん、いいよ。わかってくれたなら、いい」
私が安心させるように微笑むと、アルトはほっとしたようだった。
「先生、素敵な浴衣ありがとね!」
気持ちを切り替えるようにアルトが言い、私は笑みを返した。
「喜んでくれて嬉しいよ」
アルトが着ているのは、彼のリクエストで作った龍が描かれた浴衣だ。白地に黒い線で描かれた龍がかっこいい、とこれは彼のお気に入りになった。ダークグレーの帯で色を引き締めたのも彼にはポイントだったようだ。必死になって作ったかいがあった。
「先生の浴衣も似合ってるよ」
「ありがとう」
私が買った浴衣はくすんだ青に大輪の花が咲いている柄だった。帯はアルトの目の色に合わせて黄色にした。髪には同じく黄色の和風の花の髪飾りを付けている。着るのは大変だったけど、アルトが喜んでくれているようで、がんばったかいがある。
会場にはたくさんの人がいて、たくさんの屋台が並んでいた。ただでさえ暑いのに、人の熱気でさらに熱い。昔と違ってエコエネルギーで発電機の熱がないだけいいのかもしれないけれど。
ざわざわした声に、陽気な売り子の声。屋台からあふれる食べ物の匂いがまじりあい、食欲が刺激される。
文句はやがて泣きべそへと変わっていく。
アルトが泣きべそをかくのは随分と久しぶりだ。楽しみにしていたのだろう。北斗さんが同行するなんて初めてだから。
「きっと来てくれるよ。大丈夫」
それからも話しかけ続け、会場の駐車場に着くころにはなんとか機嫌を直してもらえた。
「……先生、ごめんね」
駐車場でビークルを降りるなり、アルトが謝ってくれた。
「うん、いいよ。わかってくれたなら、いい」
私が安心させるように微笑むと、アルトはほっとしたようだった。
「先生、素敵な浴衣ありがとね!」
気持ちを切り替えるようにアルトが言い、私は笑みを返した。
「喜んでくれて嬉しいよ」
アルトが着ているのは、彼のリクエストで作った龍が描かれた浴衣だ。白地に黒い線で描かれた龍がかっこいい、とこれは彼のお気に入りになった。ダークグレーの帯で色を引き締めたのも彼にはポイントだったようだ。必死になって作ったかいがあった。
「先生の浴衣も似合ってるよ」
「ありがとう」
私が買った浴衣はくすんだ青に大輪の花が咲いている柄だった。帯はアルトの目の色に合わせて黄色にした。髪には同じく黄色の和風の花の髪飾りを付けている。着るのは大変だったけど、アルトが喜んでくれているようで、がんばったかいがある。
会場にはたくさんの人がいて、たくさんの屋台が並んでいた。ただでさえ暑いのに、人の熱気でさらに熱い。昔と違ってエコエネルギーで発電機の熱がないだけいいのかもしれないけれど。
ざわざわした声に、陽気な売り子の声。屋台からあふれる食べ物の匂いがまじりあい、食欲が刺激される。