溺愛の業火

渇望:side和叶

渇望:side和叶


『優しくしない』

そんなことを言われて、嬉しくなるなんて。
あなたの愛情に毒されてしまったとしか、思えない。

一颯くんは手を絡めるように繋いで、私の返事も待たずに引いて行く。

強引なあなたに期待して、浮き立つ様な幸せ。
こんな私を知らない。


彼の家までの道程、何を話したのか覚えていない。
だけど、普通に会話していたような気がする。

彼の家に入り、静けさに戸惑う自分がいた。
誰もいない二人きり。

少し歩調が乱れた私を敏感に察知したのか、一颯くんは確認するような視線で微笑む。

「優しくしないで。」

私は視線を逸らし、小さな声で呟く。

「うん、おいで。」

手を引く力は強引な様で、優しく熱を伝えてくる。

望んでしまう。足りなかった空白を埋めたくて。
貪欲で淫らな自分。


整然とした部屋の中。
私は彼のベッドに腰掛けた。

その前に彼は立ち、ゆっくり屈んでキスを落とす。

もどかしさに焦り、急かすような衝動。
胸元のリボンを解き、残った結び目に指をかけて下ろす。


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