溺愛の業火

彼の視線を受け、体に生じる熱。

ボタンを上から順に外して、3つ目。
彼は私の手を制止するように、両手で押さえた。

恥ずかしさと動揺に、頭は混乱してくる。

「和叶、やっぱり止めよう。こんな事、ダメだよ。良くない。」

凍りつくような寒気。
急に冷静になる。

また突き落された。
恋に落ち、自分の欲望に堕ちていく。穢れた思い。

「優しくしないって言ったじゃない。酷い。私だけが惨めになる。」

彼を見る事が出来なくて、表情も態度も読み取れず。

「ごめん、違うんだ!」

彼の意外な大声で、状況を把握できるほど心は癒されていく。
彼が私に被さり、ベッドに押し倒されてしまった。

圧し掛かる重み。
伝わるのは息遣いと、私以上の熱。

「俺は我慢できない、制御できる自信がないんだ。『あんな事』をした時の俺は、許してくれた君に優越感を抱いて、罪悪感を心の奥底に眠らせた。そんな燻る恐怖が、常に俺を悩ませている。君が思うような……優しさじゃない。」

彼は私を見下ろして苦笑。
弱さを見せるのは、計算じゃなかったのかな。

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