溺愛の業火
手を伸ばして彼の頬に手を当てると、すり寄せる様に甘える。
愛しさに、自分の気持ちを押し殺していたのは私だけじゃなかった。
足りないのは言葉。
今更。
違う、これからも必要な事。
彼の考えを知り、私の想いを告げるべきだ。
「少しの事じゃ壊れないわ。触れて。優しくしないで。」
あなたの願う事を受け入れたい。
「あなたに甘えるから、あなたも私に甘えて。」
頬に当てた手を移動させ、彼の唇に指で触れて誘う。
上から受けるキスは何度か重なり、深くなっていく。
口の端に柔らかな刺激。
私と目が合い、一颯くんは鋭い視線で顔を上げた。
彼は自分の唇を、舌を出して舐めとる仕草。
寒気とは違うゾクリとするような感覚。
自分の唇に受けた刺激は、彼の唇ではなく舌。
新たな刺激を求めた私は、また彼に手を伸ばす。
乱れて肌蹴る服を脱ぎ、淫らに火照る身体。
優しく触れる彼の手に、過剰な反応と甘い声が出てしまう。
抑えが利かないのは私も同じ。
「どこまで許してくれる?」
優しくしないって言ったのに。
でも。私にも生じる幸せ以上の不安。
「分からない。だけど足りないの。まだ。もっと愛情が欲しい。」