溺愛の業火
和叶は優しく微笑み、見下ろす俺の首に手を滑らせて、ゆっくりと胸元に引き寄せる。
「ほら、簡単には壊れないわ。あなたの重みも心地いい。」
圧し掛かる俺の背に腕を回し、小さく呟いた。
俺の匂いとは違う甘い香りが漂う。
頭では、このまま夢心地を味わうことを望むのに、体は熱くて衝動に駆られそうになる。
壊れないと彼女は言った。
そうであれば。
身を起こしたと同時で、携帯の着信音が鳴り響く。
目が合った彼女は、苦笑を見せた。
コール音は空気を読まずに鳴り続ける。
「出た方が良いんじゃない?」
良い雰囲気が壊れた気がしたけど。
「もうすぐ止まるよ。」
気付かない振り。
留守番に切り替わったのか音は止まった。
俺は続けるため、キスをしようと顔を近づける。
すると、重なる寸前でコール音が再び。
ツボに入ったのか、和叶は通常モードで笑いだした。
誰だよ、容赦しないからな。
電話に出ると。