溺愛の業火

(アンケ)俺様*溺愛:side和叶

(アンケ)俺様*溺愛:side和叶


家に帰って、自分勝手な涙に情けなさ倍増。
覚悟が出来ていない。

求めた自分が、あの後に続いたはずの行為を、予想できていなかったのだと。
安易にキスして、温もりや癒しを求めて。
彼の理性が嬉しくて、足りなくて。

『欲望のままに』

彼が望んだ事は、自分と違う。
私は、松沢くんが来なければ流されるだけ。

そして逃げた。

『どこまで許してくれる?』

どこまででも。

ただ一颯くんの愛情に流されながら、逃げ道を探している。
卑怯な自分。

時間がどれだけ経っても、解決しない。
答えが出ない。

また『あんな事』が、あったのに。
今度は、自分から望んだはずなのに。


次の日に普通を装う事も出来ず。
気まずい1日。

そして放課後。二人だけの教室。

「ごめんな、和叶。」

どうして、あなたが謝るの?

「悪いのは私。」

覚悟しても私は、きっと逃げてしまう。
彼に謝らせ、心が痛むのに足は後退。


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