VS‐代償‐
試験勉強。並ぶ文字や数式。
頭に入っているのか、記憶に残っているのか。
不確かに積もる知識。
テストの結果は多分、それを如実に示しているのだろう。
それが、暗闇に突き落す。
自分の限界を思い知り、今まで目指していた目標や目的も見えなくするように。
……違う……私が見失った。目指す方向さえ、間違っていた。
そんな不安定な私の前に、彼は現れる。
勝負に勝ち、私に求めるのは復讐だろうか。
熱い。突き刺さるような視線。
目をそらしても、体が意識して感じる熱。
その意味も、怖くて。
理解できない自分自身の感情も隠して。
……溺れる。
冷たいはずの彼に深く。沈む想い。
「放課後、待っているから……」
小さな声で、通り過ぎながら囁いて行く。
放課後……ドコ……
きっと、この前と同じ使用されていない教室。
待っている。彼が、私に望むコト。
望んでいるのは、繕っていた私に求めた欲望。費やした時間と想い。
裏切ったのは、私……
私も彼に裏切られた。
……違う、私が見ようとしなかった。彼の本質を。
それは私の間違い。私の受けるべき代償。
許してもらえない。許せないだろう。
心は願うのに。それも許されない。
解放されるには、彼に勝つ事。
勝った、その後は……きっと、誰かを好きになれる。
涼を、忘れて……再スタートできるはず……